Linux カーネルバージョン確認コマンド:uname・hostnamectl とディストリビューションのバージョン
サーバーで動いているカーネルのバージョン番号を1行で出力する uname -r が、最も基本的な Linux カーネルバージョン確認コマンドです。AlmaLinux 9 サーバーと Debian 12 サーバーで uname、hostnamectl、バージョンファイルを順に確認したところ、サーバーごとのカーネルバージョンはどの方法で確認しても同じ値でした。ただし、Debian 12 の実際のパッチバージョン 6.1.187 は、uname -v とインストール済みカーネルパッケージの一覧に別に入っていました。
以下の出力は2台のサーバーで実行した結果そのままです。ホスト名、マシン ID、ブート ID、AlmaLinux サーバーのカーネルバージョン番号、ビルドとインストールの情報だけを例の値に置き換えました。AlmaLinux サーバーは root アカウント、Debian サーバーは一般アカウントで実行しました。
1️⃣ Linux カーネルバージョン確認コマンド
今動いているカーネルのバージョンは uname -r で確認します。
uname -r5.14.0-687.10.1.el9_8.x86_64Debian 12 サーバーでは、同じコマンドが違う形の番号を出力しました。ディストリビューションごとにバージョン番号の付け方が違うためです。
uname -r6.1.0-53-amd64-a はカーネル名からホスト名、カーネルバージョン、ビルド情報、アーキテクチャ、OS まで1行ですべて出力します。
uname -aLinux server1 5.14.0-687.10.1.el9_8.x86_64 #1 SMP PREEMPT_DYNAMIC Tue Jun 2 10:15:42 EDT 2026 x86_64 x86_64 x86_64 GNU/Linuxホスト名とビルド情報を除いて、カーネル名、バージョン、アーキテクチャだけを確認するときは、-s、-r、-m を合わせて -srm と書きます。-mrs のように順番を変えて書いても、結果はカーネル名、カーネルリリース、アーキテクチャの順で同じでした。
uname -srmLinux 5.14.0-687.10.1.el9_8.x86_64 x86_64🔲 Linux カーネルバージョン確認シミュレーター
下のシミュレーターに uname と hostnamectl、バージョンファイルを読む cat、カーネル一覧を見る rpm コマンドを直接入力して、結果を確認できます。
2️⃣ uname コマンドのオプション
uname はオプション1つごとにシステム情報を1つ出力します。オプションなしで実行すると、-s と同じくカーネル名の Linux だけが表示されます。
| オプション | 出力する情報 | AlmaLinux 9.8 サーバーの出力 | Debian 12 サーバーの -a 出力 | |
|---|---|---|---|---|
| -s | カーネル名 | Linux | Linux | |
| -n | ホスト名 | server1 | server2 | |
| -r | カーネルリリース(バージョン番号) | 5.14.0-687.10.1.el9_8.x86_64 | 6.1.0-53-amd64 | |
| -v | カーネルのビルド情報とビルド日時 | #1 SMP PREEMPT_DYNAMIC Tue Jun 2 10:15:42 EDT 2026 | #1 SMP PREEMPT_DYNAMIC Debian 6.1.187-1 (2026-09-07) | |
| -m | ハードウェアアーキテクチャ | x86_64 | x86_64 | |
| -p | プロセッサーの種類 | x86_64 | -a の出力にない | |
| -i | ハードウェアプラットフォーム | x86_64 | -a の出力にない | |
| -o | オペレーティングシステム | GNU/Linux | GNU/Linux | |
| -a | 上の項目すべてを1行で | -s から -o まで順に | -p、-i を除いた残りを順に |
-v はカーネルのビルド情報を出力します。末尾の日付はカーネルをビルドした日時なので、サーバーにインストールした日付とは違います。AlmaLinux サーバーでは、ビルド日時が6月2日、カーネルパッケージをインストールした日付が6月4日でした。
-p と -i は、ヘルプで non-portable と書かれたオプションです。値がわからないシステムでは、-a の出力からも抜けます。
3️⃣ Linux カーネルバージョン番号の構造
uname -r が出力するバージョン番号は、前の部分がベースのカーネルバージョンで、ハイフンの後ろがディストリビューションが付けた番号です。
el9_8 は Enterprise Linux 9.8 向けにビルドしたカーネルという意味で、このサーバーのディストリビューションバージョン 9.8 と同じ数字です。
Debian 12 の 6.1.0-53-amd64 は、前の 6.1.0 だけではパッチレベルがわかりません。パッチレベルは uname -v で確認します。
uname -v#1 SMP PREEMPT_DYNAMIC Debian 6.1.187-1 (2026-09-07)末尾の Debian 6.1.187-1 が実際のパッチバージョンです。セキュリティ情報のカーネルバージョンと比べるときは、この数字を使います。
4️⃣ /proc/version と hostnamectl で Linux カーネルを確認
カーネルバージョンは uname のほかに、/proc/version ファイルと hostnamectl でも確認できます。/proc の下のファイルはカーネルが作る仮想ファイルなので、cat で読むだけで済みます。
cat /proc/versionLinux version 5.14.0-687.10.1.el9_8.x86_64 (mockbuild@x64-builder01.almalinux.org) (gcc (GCC) 11.5.0 20240719 (Red Hat 11.5.0-5), GNU ld version 2.35.2-63.el9) #1 SMP PREEMPT_DYNAMIC Tue Jun 2 10:15:42 EDT 2026/proc/version には、uname -a にないコンパイラー gcc 11.5.0 とリンカーのバージョンも一緒に表示されます。バージョン番号だけが必要なら /proc/sys/kernel/osrelease を読みます。結果は uname -r と同じでした。
cat /proc/sys/kernel/osrelease5.14.0-687.10.1.el9_8.x86_64hostnamectl は、ホスト名と一緒に OS 名、カーネルバージョン、アーキテクチャを1画面に出力します。以下は Debian 12 サーバーの一般アカウントで実行した結果です。
hostnamectl Static hostname: server2
Icon name: computer-vm
Chassis: vm 🖴
Machine ID: 3b9e0f6a2c1d4e8b9a7c5d3e1f0a2b4c
Boot ID: b7e3d1a04c9f4e2a8d6c5b1f0e2a9c47
Virtualization: microsoft
Operating System: Debian GNU/Linux 12 (bookworm)
Kernel: Linux 6.1.0-53-amd64
Architecture: x86-64Operating System の行がディストリビューション名とバージョンで、Kernel の行は uname -s と uname -r を合わせた値です。AlmaLinux サーバーでは、カーネルとディストリビューションを一度に確認できるよう、grep で必要な行だけを選びました。
hostnamectl | grep -E 'Operating System|Kernel|Architecture'Operating System: AlmaLinux 9.8 (Olive Jaguar)
Kernel: Linux 5.14.0-687.10.1.el9_8.x86_64
Architecture: x86-645️⃣ Linux ディストリビューションのバージョン確認
ディストリビューションの名前とバージョンは /etc/os-release ファイルに入っています。os-release のマニュアルは、このファイルを OS の識別情報を収めるファイルと説明しています。内容はシェル変数のように 名前=値 の形で1行ずつ書かれています。
以下は Debian 12 サーバーの os-release です。
cat /etc/os-releasePRETTY_NAME="Debian GNU/Linux 12 (bookworm)"
NAME="Debian GNU/Linux"
VERSION_ID="12"
VERSION="12 (bookworm)"
VERSION_CODENAME=bookworm
ID=debian
HOME_URL="https://www.debian.org/"
SUPPORT_URL="https://www.debian.org/support"
BUG_REPORT_URL="https://bugs.debian.org/"PRETTY_NAME が人が読むディストリビューション名で、VERSION_ID がバージョン番号です。AlmaLinux サーバーの os-release のように行が多いファイルは、grep で必要な行だけを選びます。
grep -E '^(NAME|VERSION|ID|VERSION_ID|PRETTY_NAME)=' /etc/os-releaseNAME="AlmaLinux"
VERSION="9.8 (Olive Jaguar)"
ID="almalinux"
VERSION_ID="9.8"
PRETTY_NAME="AlmaLinux 9.8 (Olive Jaguar)"AlmaLinux のような RHEL 系は、ディストリビューション名とバージョンを1行で書いた release ファイルを /etc に一緒に置いています。AlmaLinux サーバーには release ファイルが4つあり、redhat-release と system-release は almalinux-release へのリンクでした。
ls -l /etc/*-release-rw-r--r-- 1 root root 37 May 19 07:33 /etc/almalinux-release
lrwxrwxrwx. 1 root root 21 May 19 07:33 /etc/os-release -> ../usr/lib/os-release
lrwxrwxrwx 1 root root 17 May 19 07:33 /etc/redhat-release -> almalinux-release
lrwxrwxrwx 1 root root 17 May 19 07:33 /etc/system-release -> almalinux-releaseそのため、almalinux-release、redhat-release、system-release のどのファイルを読んでも、同じ1行が表示されました。
cat /etc/redhat-releaseAlmaLinux release 9.8 (Olive Jaguar)Debian 12 サーバーの os-release には、VERSION_ID が12までしか書かれていませんでした。12.15 のような細かいバージョンは /etc/debian_version に入っています。
cat /etc/debian_version12.15lsb_release -a もディストリビューション名とバージョンを出力します。Debian 12 サーバーでは4行が表示されました。
lsb_release -aDistributor ID: Debian
Description: Debian GNU/Linux 12 (bookworm)
Release: 12
Codename: bookwormAlmaLinux サーバーには lsb_release がインストールされておらず、同じコマンドが [command not found] エラーで終わりました。
lsb_release -abash: lsb_release: command not foundこのときは、パッケージを別にインストールせず、/etc/os-release を読んで同じ情報を確認します。
6️⃣ インストール済みの Linux カーネル一覧と再起動の確認
uname -r は今動いているカーネル1つだけを出力するので、サーバーにインストールされたカーネル全体はパッケージ一覧で確認します。RHEL 系では rpm -q --last kernel がインストール日まで一緒に出力します。
rpm -q --last kernelkernel-5.14.0-687.10.1.el9_8.x86_64 Thu Jun 4 11:47:44 2026
kernel-5.14.0-427.13.1.el9_4.x86_64 Wed Jun 12 11:44:52 2024
kernel-5.14.0-362.13.1.el9_3.x86_64 Mon Jan 15 12:30:31 2024AlmaLinux サーバーのカーネル3つは2024年1月から2026年6月の間にインストールしたもので、すべて 5.14.0 で始まり、後ろのリリース番号と el9_3、el9_4、el9_8 だけが違いました。そのため AlmaLinux 9 では、ハイフンの後ろのリリース番号まで比べないと、カーネルが最新かどうか判断できません。
Debian 系は dpkg でカーネルパッケージの一覧を確認します。
dpkg -l 'linux-image*' | grep '^ii'ii linux-image-6.1.0-50-amd64 6.1.176-1 amd64 Linux 6.1 for 64-bit PCs (signed)
ii linux-image-6.1.0-53-amd64 6.1.187-1 amd64 Linux 6.1 for 64-bit PCs (signed)
ii linux-image-amd64 6.1.187-1 amd64 Linux for 64-bit PCs (meta-package)3列目が実際のパッチバージョンです。カーネルパッケージが 6.1.176 から 6.1.187 に上がる間、パッケージ名の 6.1.0 はそのままで、真ん中の番号だけが50から53に変わりました。
新しいカーネルをインストールしても、再起動するまでは前のカーネルが動き続けます。次の起動で使うカーネルは、RHEL 系では grubby --default-kernel で確認します。
grubby --default-kernel/boot/vmlinuz-5.14.0-687.10.1.el9_8.x86_64このサーバーは、次の起動カーネルと今動いているカーネルが同じ 5.14.0-687.10.1.el9_8 でした。yum-utils パッケージの needs-restarting -r は、起動後に主要なライブラリーやサービスが更新されたかを確認し、再起動が必要かどうかを出力します。
needs-restarting -rNo core libraries or services have been updated since boot-up.
Reboot should not be necessary.[Reboot should not be necessary] は再起動が不要という意味です。
起動後に kernel や glibc、systemd のような主要パッケージが更新されていれば、[Core libraries or services have been updated since boot-up:] の下にパッケージ名が表示され、その下に [Reboot is required to fully utilize these updates.] が付きます。このときの終了コードは1なので、再起動する時間を決めて再起動します。
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