共有ホスティングとは?CPU・RAMの分離と共有ホスティングの限界・メリットとデメリット(WordPressとすべてのウェブサイト)

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共有ホスティングとは、1台のサーバーのCPU・RAMを複数のサイトで分け合って使うホスティングです。アカウントごとにリソースの上限をかける分離の仕組み、上限に達したときに起きること、WordPressや一般的なウェブサイトに共有ホスティングが向いているケースと限界を、メリットとデメリットに分けて解説します。

共有ホスティングは隣のサイトとサーバーを共有するため、CPU・RAMの分離が最も重要です。分離で防げること・防げないこと、508エラーが出る理由、共有ホスティングのメリットとデメリット、VPSへ移るタイミングをまとめました。

1️⃣ 共有ホスティングの仕組み:1台のサーバーを分け合う方式

1台の共有ホスティングサーバーには、数十から数百のLinuxアカウントが作られます。利用者が受け取るのは、そのうちの1アカウントと /home/username/ の下にある自分のフォルダです。

アカウント同士で分けられているのは、ファイルと権限です。自分のアカウントからは隣のアカウントのフォルダを開けず、データベースもアカウントごとに別々に作られます。

しかし、サイトを動かすためのリソースは1台のサーバーから出ています。リクエストを受けるWebサーバー、PHPを実行するCPUとメモリ、データベースサーバー、ディスク、ネットワーク回線とIPアドレスまで、すべてのアカウントが同じものを使います。

共有ホスティングの構造:複数アカウントのphp-fpmが同じCPU・メモリを使うLinuxサーバーのtop画面

Linux サーバーで top コマンドで見ると、複数アカウントのPHP処理(php-fpm)が同じCPU・メモリの一覧に並んで表示されます。

共有ホスティングサーバー1台の構造
Linuxアカウント 数十~数百
🖥️ 共有ホスティングサーバー1台Linux
分離アカウント同士で分かれるもの:ファイルと権限
user_a自分のサイト
📁 /home/user_a/
🗄️ user_a_wp
user_b
📁 /home/user_b/
🗄️ user_b_wp
user_c
📁 /home/user_c/
🗄️ user_c_wp
アカウント 数十~数百
🔒 自分のアカウントから隣のアカウントのフォルダは開けません。データベースもアカウントごとに別です。
▼ すべてのアカウントが同じものを使います ▼
共有サイトを動かすリソース:すべて1台のサーバーから
🌐Webサーバー
⚙️CPU
🧠メモリ
🗄️DBサーバー
💽ディスク
📶回線・IP

🔲 CloudLinuxの共有ホスティング

世界市場で営業する共有ホスティング事業者の多くは CloudLinuxという共有サーバー向けのOSを使っています。Hostinger、Namecheap、ChemiCloudもそうです。

CloudLinuxはアカウントごとにLVEという仕切りをかぶせ、その仕切りにCPU・メモリ・ディスク速度・同時接続数の上限をかけます。あるアカウントが上限を超えると、そのアカウントの処理だけが遅くなったり止まったりします。

管理パネルはcPanel・Plesk・DirectAdminなど、さまざまなパネルと組み合わせて動きます。Hostingerのように、事業者が自社で作ったパネル(hPanel)の上で使うところもあります。

上限は料金表やヘルプ文書に数値で書かれています。Hostingerの共有ホスティング「Web Single」は、CPU 1コア、メモリ1GB、ディスク速度 毎秒6,144KB、PHPワーカー20個です。同じ表のUnlimitedプランはCPU 2コア、メモリ3GBです。

CloudLinux共有ホスティングサーバーの構造
数値の例:Hostinger Web Single
🖥️ 共有ホスティングサーバー1台CloudLinux
LVEアカウントごとの仕切り:CPU・メモリ・ディスク速度・同時接続数の上限
user_a自分のサイト
CPU1コア
メモリ1GB
ディスク速度6,144KB/s
PHPワーカー20個
user_b上限超過
CPU1コア
メモリ1GB
ディスク速度6,144KB/s
PHPワーカー20個
上限を超えたこのアカウントだけが遅くなる・止まる
user_c
CPU1コア
メモリ1GB
ディスク速度6,144KB/s
PHPワーカー20個
アカウント 数十~数百
管理パネルさまざまなパネルと動作
cPanel Plesk DirectAdmin hPanel Hostinger独自のパネル
上限の数値はHostinger公式ヘルプの共有ホスティング「Web Single」基準(2026-10-03)。どのアカウントにも同じ上限がかかります。

🔲 韓国の共有ホスティング

私は韓国人なので、韓国の読者の参考になるよう韓国の共有ホスティングについても触れておきます。韓国の共有ホスティングは、CPU・RAMではなくトラフィックとディスク容量でプランを分けています。

調べた韓国の事業者3社はいずれも、1アカウントで使えるCPU・メモリの上限を公開していませんでした。その代わり、1日のトラフィックに上限を設け、使い切るとサイトを遮断するプランがあります。

韓国の共有ホスティングは、通常Apacheのmod_cbandでアカウントごとに1日のトラフィックと同時接続数を制限します。CPUとメモリはアカウント別に分けず、サーバー全体をすべてのアカウントで共有しているところが多くあります。

韓国の共有ホスティングのプラン区分
韓国の事業者の料金表の例
🖥️ 共有ホスティングサーバー1台Linux · Apache mod_cband
区分プランを分けるもの:トラフィックとディスク
最も安いプラン
1日のトラフィック1.6GB
ディスク700MB
CPU・メモリ非公開
中位プラン
1日のトラフィック4GB
ディスク1.4GB
CPU・メモリ非公開
その上のプラン
1日のトラフィック10GB
ディスク4GB
CPU・メモリ非公開
⛔ 1日のトラフィックを使い切ると、サイトが遮断されます。
共有CPU・メモリ:アカウント別に分けず、サーバー全体を共有
⚙️CPUの全コア
🧠メモリ全体
👥全アカウントで共有
韓国の事業者の一般的な料金表に基づく(2026-10-03)

2️⃣ 共有ホスティング vs VPS・クラウド・専用サーバー

共有ホスティングとVPSの違いは、上限と保証です。共有ホスティングには超えてはいけない線があるだけで、VPSは最初から自分の分のCPUとメモリが決まっています。

サーバーの分け方:共有・VPS・クラウド・専用
濃いマス=自分の分
共有ホスティング
分け方1台のサーバーを数十~数百のアカウントで
自分の分のリソース上限だけで保証なし
サーバー管理ホスティング事業者
VPS
分け方仮想化で1台のサーバーをいくつかに分割
自分の分のリソースCPU・メモリが最初から決まっている
サーバー管理自分(マネージドなら事業者)
クラウド
分け方複数サーバーをまとめたリソースから切り出して使う
自分の分のリソース必要に応じて増減
サーバー管理自分または事業者
専用サーバー
分け方サーバー1台をまるごと
自分の分のリソースサーバーのすべて
サーバー管理自分
ホスティングの種類別の詳しい説明 → WordPressホスティング:安定性と速度を反映した5つの評価項目 クラウドホスティングを詳しく → クラウドホスティングとは?リソースプールの仕組みとオートスケーリング、VPSとの違い、メリット・デメリット

3️⃣ CPU・RAMの分離:防げることと防げないこと

CloudLinuxの仕切りは、隣のアカウントがCPUとメモリを独占するのを防ぎます。隣のアカウントにアクセスが集中しても、そのアカウントは自分の上限までしか使いません。仕切りのないサーバーでは、これすら防げません。

ただし、上限は保証ではありません。1台のサーバーに多くのアカウントを詰め込むと、複数のアカウントが同時に上限まで使ったとき、全員が一緒に遅くなるからです。

サーバー自体が止まれば、仕切りに関係なくすべてのアカウントが一緒に止まります。IPアドレスも共有しているため、隣のアカウントがスパムを送ってIPがブロックされると、自分のメールも届かなくなることがあります。

仕切りが防げることと防げないこと
上限は保証ではない
状況
CloudLinuxの仕切り
仕切りのないサーバー
隣のアカウントがCPU・メモリを独占
✅防げる
⛔防げない
複数のアカウントが同時に上限まで使う
⛔防げない
⛔防げない
サーバー自体が止まる
⛔防げない
⛔防げない
共有IPがスパムでブロック(メール)
⛔防げない
⛔防げない

4️⃣ 上限に達すると:508エラーと速度低下

上限ごとに出る症状が違います。CPUやディスク速度の上限に達すると、サイトが遅くなります。

同時接続数の上限を超えると、訪問者には[508 Resource Limit Is Reached]エラーが表示されます。メモリの上限を超えると、処理が途切れて500または503エラーが発生します。

CloudLinuxのホスティングでは、cPanel・Plesk・DirectAdminのResource Usage画面で、どの上限に達したかを確認できます。同じエラーが繰り返される場合は、まずキャッシュプラグインを確認します。

上限ごとに違う症状
CloudLinux公式ドキュメント基準
CPU SPEED
読み込み中…
サイトが 遅くなる
ディスク速度 IO
読み込み中…
サイトが 遅くなる
同時接続数 EP
508Resource Limit Is Reached
訪問者に 508エラー
メモリ PMEM
500 · 503処理が途切れる
処理が途切れて 500・503エラー
Resource UsagecPanel・Plesk・DirectAdminで、どの上限に達したかを確認

5️⃣ 共有ホスティングのメリットとデメリット:WordPressと一般的なウェブサイト

共有ホスティングは初期費用が最も安いです。1~3年契約なら月2~7ドルから始まり、サーバー管理は事業者が担当します。その代わり、CPUとメモリに上限があります。最初の契約が終わると、多くは月10~18ドルに上がり、クラウドホスティングの入門料金と変わらなくなります。

HTMLだけのサイトは、上限に達することはほとんどありません。WordPressはページごとにPHPとデータベースを通るため、まずキャッシュプラグインを有効にします。

WordPressや一般的なウェブサイトでスモールビジネスや小規模ブログを始めるとき、あまりお金をかけたくないなら、少し高くてもHostingerかChemiCloudをおすすめします。最も節約したいならNamecheapです。

共有ホスティング6社:初回料金と更新料金
米ドル・月額
初回料金(契約期間)更新・通常価格
Namecheap Stellar
30日間無料体験cPanel
初回 $2.28・年払い通常価格(月払い) $5.88
Bluehost Starter
30日返金独自ダッシュボード
初回 $3.99・36か月更新 $9.99
Hostinger Premium
30日返金hPanel
初回 $2.99・48か月更新 $10.99
ChemiCloud Starter
45日返金cPanel
初回 $1.95・3年通常価格 $11.95
GoDaddy Economy
30日返金cPanel
初回 $6.99・1年更新 $11.99
SiteGround StartUp
30日返金Site Tools
初回 $2.99・12か月更新 $17.99
各社公式料金ページ基準(2026-10-03)・最も安い共有ホスティングプラン・初回料金は記載期間をまとめて支払う場合の月額換算・Namecheapの初回料金は30日間無料体験の後・更新料金の順

ホスティングを選ぶ前に、RedditでBluehostやGoDaddyなどについての書き込みを必ず確認することをおすすめします。スモールビジネスを始めたのにサイトが頻繁に止まり、遅いサイトから訪問者が離れていくと、SEOやAEOで上位に入れず、訪問者が減っていきます。共有ホスティングの中でHostingerとChemiCloudをおすすめする理由は安定性と速度で、予算を抑えて始める必要があるなら、むしろNamecheapをおすすめします。実際にこの3社は私がアフィリエイトをしている事業者で、安定性と速度で従来の事業者よりも良い評価を受けているからです。

6️⃣ VPSへ移るタイミング

移るときは、3つのことを見ます。

キャッシュを有効にしても508や503エラーが繰り返されるなら、リソースが足りていません。共有プランの最上位でも上限に達するなら、これ以上上げる余地がありません。

最初の契約が終わる時期も目安です。更新料金が月10~18ドルなら、月11ドルからのCloudwaysのようなマネージドクラウドに移れる金額です。

VPSへ移るタイミング、3つのサイン
1つでも当てはまれば
1キャッシュを有効にしてもエラーが続く
リソースが足りていません。
508503
2共有プランの最上位でも上限
共有プランの中には、これ以上上げる余地がありません。
最上位プラン・上限到達
3最初の契約が終わるとき
更新料金でマネージドクラウドが使えます。
共有の更新料金$10~18
Cloudways$11~
マネージドクラウド・VPSまで比較する → WordPressホスティング Top 7 VPSホスティングを詳しく → VPSホスティングとは?仮想サーバーの仕組みとオーバーコミット、管理型・非管理型の違い、メリット・デメリット マネージドWordPressホスティングを詳しく → マネージドWordPressホスティングとは?事業者が担う管理範囲、管理型VPSとの違い、メリット・デメリット

🔢 よくある質問

プラン名の[無制限]は、サイト数など一部の項目にしか当てはまりません。HostingerのUnlimitedプランも、公式の表にディスク50GB、ファイル・フォルダ数(inode)60万個、CPU 2コア、メモリ3GBの上限が書かれています。

不利にはなりません。GoogleのJohn Muellerは、複数のサイトでIPを共有するのはよくあることで、専用IPにしてもSEO上の利点はないと何度も述べています。共有IPが影響するのは、3️⃣で見たメールのほうです。

Hostinger、ChemiCloud、Namecheapは、共有ホスティングに無料SSLを含め、自動でインストールします。Namecheapは最初の1年間無料と案内しています。調べた韓国の事業者3社のうち、無料SSLを含んでいたのは1社だけで、残りは別途購入が必要でした。

作り直す必要はありません。サイトのファイルとデータベースを移し、ドメインの接続先を変えれば済みます。乗り換え時に無料で移行してくれる事業者もあり、ChemiCloudとNamecheapは料金表に無料移行を明記しています。

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